今回のレビューは、舞台「母さん、ラブソングです。」です。

田中圭さんの舞台復帰作。
芝居力の高い、稀有な役者さんですので、本作の上演をとても楽しみにしていました。
鈴木おさむさんと田中圭さんがタッグを組んだ舞台は今作で4作目。
見終わった今感じることは、おさむさんから田中圭へのラブソングみたいな作品だなということ。脚本家から主演俳優へ向けた、これ以上ないほどの信頼と愛情が滲み出ている、そんな舞台だと感じました。
あらすじ
物語は、落ちぶれたミュージシャンの兄・詩於(田中圭)と、兄を支え続けてきた弟・踊楽(矢崎広)兄弟の二人芝居です。
ふたりの会話だけで物語が進んでいき、胸に秘めていた思いや秘密を打ち明けていく。そしてラストには、タイトルでもある「ラブソング」が一体何なのか、物語の壮大なラストに向かって明らかになっていきます。
二人だけで進んでいく会話劇
この作品最大の特徴は、逃げも隠れもできない2人芝居であるということ。
出演者は2人だけ。舞台上に他の誰かが助けてくれることはありません。だからこそ、役者の実力がそのまま舞台の質に直結します。その緊張感を全編通して背負い続けた2人には、本当に頭が下がる思いでした。
田中さんは相変わらずお芝居がうまい。
喜怒哀楽の表現だったり、ふと見せる表情にぐっときてしまいました。
田中さんの演技はもちろん素晴らしかったのですが、今回どうしても伝えたいのは、矢崎さんが本当に上手いということ。
主演を張る田中圭と対等に渡り合い、時にはそれ以上の存在感を放つ瞬間すらありました。
セリフの温度感、間の取り方、ふとした表情の揺れなど、そのひとつひとつに兄弟としての積み重ねてきた時間が滲んでいるように感じました。
田中さんの芝居は、役柄と本人が持つ空気感が重なる瞬間があって、「今の田中圭だからこそ」という説得力もありました。
やっぱり芝居上手い。上手いです。舞台に立ち続けてください。この感想に尽きます。素直にそう思わせてくれる舞台でした。
こんなに愛情に溢れた作品を作ってもらえて、観ることができて、本当にありがとうございました。
おさむさん、田中さん。ぜひ第5弾も期待しております!!!
【公演情報】
舞台「母さん、ラブソングです。」
作・演出:鈴木おさむ
楽曲提供:平井 大
出演:田中圭、矢崎広
公演日:
東京公演:2026年7月31日(金)~2026年8月16日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
宮城公演:2026年8月29日(土)~2026年8月30日(日) 電力ホール
愛知公演:2026年9月4日(金)~2026年9月6日(日) Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
長野公演:2026年9月12日(土)~2026年9月13日(日) サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター 大ホール
大阪公演:2026年9月18日(金)~2026年9月22日(火・祝) SkyシアターMBS
観劇日 2026年8月4日