若者による若者のための観劇レビュー

23歳が、23歳なりの視点で、同年代の若者に舞台の素晴らしさを、鑑賞した舞台のレビューを通して伝えていきたいブログです

『髑髏城の七人 Season風』を観劇した感想(ネタバレあり)

第22回目のレビューは、IHIステージアラウンドこけら落とし公演第三弾、劇団☆新感線『髑髏城の七人 season風』です!

 

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客席回転型劇場「IHIステージアラウンド」のこけら落とし公演として、1年3か月にわたるロング公演を行う劇団☆新感線『髑髏城の七人』。

 

 

5つのシーズンに分けて上演する本作。その第三シーズンとして公演中の"season風"は、捨乃助と天魔王を一人が演じるという、かなり面白い設定へ変更された、前2シーズンとは大きく異なる「髑髏城の七人」でした!

 

 

※「髑髏城の七人Season花」(小栗旬主演)は第12回レビューに掲載

「髑髏城の七人 Season花」を観劇した感想(ネタバレあり) - 若者による若者のための観劇レビュー

 

※「髑髏城の七人Season鳥」(阿部サダヲ主演)は第18回レビューに掲載

『髑髏城の七人 season鳥』を観劇した感想(ネタバレあり) - 若者による若者のための観劇レビュー

 

 

 

松山ケンイチ VS 松山ケンイチ

 

捨乃助と天魔王の二役を演じたのは、松山ケンイチさん。

 

捨乃助を演じられているときは、陽気で楽観的。喋り方も軽く、純粋さや少年ぽさを併せ持つポップなキャラクター。初演の古田新太さんやSeason花の小栗旬さんが演じられていたときような、女好きな部分も見え隠れする、"遊び人"なイメージを踏襲していました。

 

一方、第二幕で登場する天魔王を演じられているときは、豪快で冷酷、声も低くてゆったりと重たい。Season花やSeason鳥よりもビジュアルを信長に寄せており、いまは亡き君主、信長の野望を達成しようとする天魔王の思いが強く表れておりました。

 

 

一人二役というのは、もともと捨乃助と天魔王は、かつて君主信長につかえる影武者として活躍していた、"同じ顔を持つ男"という設定です。

そして、捨乃助と天魔王、そして同じく信長に仕えていた蘭兵衛の三人は、信長を失ってから生きる目的を失い、ばらばらの道を歩むこととなったのです。

 

 

昔は同じ方向を向いて共に闘ってきた三人が、ばらばらになって、敵対する相手となってまた再会するというこのストーリーは本当に観ていて分かり易いですよね!それが長い間この作品が愛されている理由の一つだと思います。

 

 

何といっても松山ケンイチさんの、捨乃助と天魔王の演じ分けがこの舞台のキーポイントになってきます。松山ケンイチ松山ケンイチが対峙する構図になるわけです。

もちろん、実際の舞台上で直接顔を合わせて対峙することはできませんが、そう想像させることができる演出になっていたのが驚きです。

 

 

とにかく松山ケンイチさんの演じ分けが凄まじかったんです・・・。

捨乃助は、一見すると陽気で遊び人だけど、闘いとなるとめちゃくちゃ強く、情に厚いキャラクター。Season花の小栗旬と描き方が似ているため、別物と思いながらもどうしても比べてしまったのですが、松山ケンイチさんの方が"陽気"という要素が全面に出ていて、殺陣のかっこいいシーンとのギャップが大きい。だからこそ、捨乃助の歩んできた辛い過去がより強調されていたのでは、と感じました。

 

 

そして、陽気な喋り方に強弱がはっきり付いていることで、感情が声に乗っていて、捨乃助の理想像にいちばん近いと思いました。めちゃくちゃかっこよかった・・・。

 

 

一方の天魔王。

あまり声が荒げず、淡々と、説き伏せるようにして蘭兵衛に語りかけるその姿に恐怖を感じました。権力を使い、目的のためなら手段を選ばないという信長の意思を表情や立ち振る舞いや声から感じました。

本当に捨乃助を演じていた人と同一人物なのか!?と思いたくなるほど別人です。演じ分け、凄まじかったです。

 

 

映画やドラマじゃ魅力がすべて伝わらない、舞台映えする人なんですね・・・。は~こんなにかっこいいとは思わなかった・・・♡笑

 

 

今回最長の殺陣シーン

 

無界屋蘭兵衛を演じるのが、劇団新感線初参加となる向井理さん。

 

舞台を観る前から、蘭兵衛さんにぴったりだな~と思っており、どんな蘭兵衛さんを演じられるのか楽しみにしておりました。

本格的な殺陣が初挑戦だそうで、前シーズンの早乙女太一蘭兵衛を観たあとということもあり、殺陣のクオリティが少々気になってしまったのですが、佇まいに凛々しさや色気があって、蘭兵衛さんそのものでした!

 

蘭兵衛さんが無界屋を守るため、一人髑髏城に向かうシーンは圧巻で、白い花畑から客席を回転させながら荒野へ移動し、髑髏城の前まで闘い続ける殺陣は、今回の舞台の中で最長のシーンだそうです。

その殺陣の中には移動しながらプロジェクションマッピングを用いて相手を斬り殺すような演出も含まれており、Season花や鳥にはなかった演出が取り入れられておりました。

 

 

蘭兵衛と天魔王が対峙するシーンで見どころの一つなのが、夢見酒を口移しで飲ませるシーン。

今までは一度のキスで夢見酒を蘭兵衛に飲ませていましたが、今回は二度!

一度目は蘭兵衛に昔の記憶を呼び戻させるために、二度目は夢見酒を飲ませるためにだそうです。

確かに、天魔王が夢見酒を口に含んでいない状態でキスをしたので、何事!と思ったのですが、そのあとの蘭兵衛の表情は、"はっ"と我に返ったような、目の前の天魔王を信長と重ね合わせているような表情をしておりました。

 

 

 

 そして、かなり衝撃を受けたのが第二幕の天魔王と蘭兵衛が無界屋を壊滅させるシーン。

天魔王はもちろん松山ケンイチさんが演じているのですが、天魔王と蘭兵衛が容赦なく遊女たちを斬り殺していく様が、第一幕の無界屋での捨乃助と蘭兵衛のシーンとあまりにも違いすぎて、同一人物が演じているからこその恐ろしさというか、残虐さがより際立っておりました。

 

無慈悲に斬り殺していく天魔王が捨乃助ではないことはわかっているんですけど、わかっているんですけど!重ね合わせてしまう・・・。

 

天魔王と蘭兵衛、ふたりとも何とも言えない冷酷な目をしてました・・・。恐ろしかった・・・。

 

 

小ネタが多いSeason風!

 

 

とにかく笑っちゃうポイントがとても多かったです。

もちろんシリアスシーンは固唾を飲んで観ていますが、随所に笑ってしまうシーンが沢山ありました。

前シーズンの阿部サダヲさん主演「髑髏城の七人Season鳥」は"オモシロドクロ"などと言われており、笑いの要素が盛り込まれていましたが、今回もかなり面白い!

私個人の意見ですが、オモシロドクロよりオモシロかったのでは・・・(笑)

 

それは何と言っても笑いが取れる役者さんがそろっているということ。

兵庫役の山内圭哉さん、贋鉄斎役の橋本じゅんさん、狸穴二郎衛門役の生瀬勝久さんなど、どこからがセリフでどこからがアドリブなのか分からないくらい、がっぱがっぱ笑い取ってました。もちろん、松山ケンイチ捨乃助も笑っちゃうシーンが多く、名前をコロコロ変えるキャラクターなもんだから、贋鉄斎に「今は名前なんだっけ?L(エル)?」と言われて、「違うっっ!!!」ってツッコんでました(笑)

笑ったり、切なくなったり、かなり盛りだくさんで大満足な作品でした!

 

 

 

本公演は11月3日まで上演されております。

少々お高いチケットですが、行って損はさせません!言い切ります!それ位素晴らしい作品でした!

 

 

みなさまもぜひ行ってみてください!!!

 

 

【公演情報】

 

『ONWARD presents 劇団☆新感線 髑髏城の七人 season風』

 

 

出演者:松山ケンイチ向井理田中麗奈橋本じゅん山内圭哉岸井ゆきの生瀬勝久・・・etc

 

 

公演日:2017年9月15日(金)~11月3日(金・祝) IHIステージアラウンド東京

 

 

観劇日:2017年10月7日(土)14:00公演