若者による若者のための観劇レビュー

23歳が、23歳なりの視点で、同年代の若者に舞台の素晴らしさを、鑑賞した舞台のレビューを通して伝えていきたいブログです

赤坂大歌舞伎「夢幻恋双紙~赤目の転生~」を観劇した感想(ネタバレあり)

第11回目のレビューは、赤坂大歌舞伎「新作歌舞伎 夢幻恋双紙~赤目の転生~」です。

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私は演劇を沢山観劇しておりますが、歌舞伎も4回ほど観たことがあります。しかし、新作歌舞伎は今回が初めてでした。

 

 

セリフは全編現代語で上演されており、歌舞伎に抵抗感のある方でも非常に観やすい作品でした。

 

 

感想から言いますと、"歌舞伎の要素を盛り込んだ現代劇"という印象を受けました。

 

 

 

今まで古典歌舞伎しか観たことがなかったので、美術や演出がここまで大きく異なっていることにとても驚きました。

 

23歳の私からすると、古典歌舞伎はいつも音声ガイドを借りないと詳しい内容が理解できないのですが、今回の新作歌舞伎はストーリーも演出も現代的なので、とても分かりやすかったです。

 

 

そして物語は、、、『幸福を吸い取られ、不幸を浴びた』感覚になりました。(笑)

 

 

なんて報われない展開なんだと、、、。とてつもなく切ないです。

 

 

 

中村勘九郎さん演じる気の弱い"太郎"が中村七之助さん演じる"歌"を幸せにするために何度も転生を繰り返す、という物語です。

太郎は何度も転生するので、人格がそれぞれ大きく変わるのですが、その演じ分けが本当に凄かったです。

 

「気が弱い人格」「自分勝手な人格」「優しすぎる性格」など。

 

勘九郎さん一人で演じているとは思えない変貌ぶりでした。気が弱い太郎はとても愛くるしく、可愛げがありましたが、自分勝手で男らしい太郎は傲慢で、その態度に少し恐怖すら感じました。

ちょっとしたしぐさや歩き方、声のトーンまでも、それぞれの人格ごとに演じ分けていて、勘九郎さんの力量に圧倒されっぱなしでした。

 

 

そして、そんな太郎と恋に落ちるのが七之助さん演じる"歌"です。

歌舞伎を観に行くと、毎回、女形の方のしぐさが女性よりも女性で、とてもびっくりします。七之助さんの女形を観劇するのは2回目なのですが、本当に線が華奢で、しぐさも指の先まで女性的で、すべてが美しすぎてため息が出てしまうほどです。

そして声も、女性のか弱い雰囲気がとても表れていて、素晴らしいの一言に尽きます。

 

  

歌舞伎にファンタジー要素を入れたようなストーリーで、歌舞伎とファンタジーはとても相性がいいなぁ~と感じました。

もともと、SFが大好きなので、私的にはとてもわくわくするお話でした。めちゃくちゃ切なかったですけど……(;_;)

 

同じシーンが何度も出てくるのですが、太郎は転生しているから、それぞれ異なる未来へ進んでいき・・・。

 

でも、何故こうも誰も報われないのでしょうか・・・。

 

トーリーに飲み込まれ、観劇後は気持ちが"ずーーーーーん。"となりました・・・。

恋愛って、人生って、難しいし、怖いな、と思ってしまいました・・・(笑)

 

 

そして、注目してほしいのは演出です。

今回の演出では"切り絵"をモチーフとした美術が沢山使われておりました。

 

非常にモダンな雰囲気を作り出していると共にとても儚げで、役者さんが舞台空間のなかにくっきりと浮き出ているような見え方をしました。

"切り絵"ということで使われている色も黒が多く、役者さんたちのお着物の色がとても映えていて素敵でした。

 

 

また、音楽はピアノが使われており、音楽からも現代的な演劇要素を感じました。

ピアノの細い音色・旋律がその場面の登場人物の感情を表しているようで、さらに象徴的なものにしてくれていたと思います。

 

 

 

久しぶりに歌舞伎を観ましたが、やっぱり最高で、古典歌舞伎も観たいと思いましたし、また違う新作歌舞伎も観たいと思いました。

 

歌舞伎に触れたことのない方、特に若い方は新作歌舞伎とてもおすすめです!

ぜひ観に行ってみてください!!!

 

 

【公演情報】

『赤坂大歌舞伎「新作歌舞伎 夢幻恋双紙~赤目の転生~」』

 

出演:中村勘九郎中村七之助市川猿弥中村鶴松中村いてう中村亀鶴片岡亀蔵

 

公演日:2017/4/6(木)~4/25(火) 赤坂ACTシアター

 

 

観劇日:2017年4月16日(日)14:00公演