『書きます!#観劇レビュー』

鑑賞した舞台のレビューをただただ書き残していきます!

「キネマと恋人」を観劇した感想(ネタバレあり)

 

第8回目のレビューは世田谷パブリックシアター+KARA・MAP #007「キネマと恋人」です。

 

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本作はシアタートラムという三軒茶屋にある客席数220ほどの小劇場で上演されており、主演が妻夫木聡さんの作品です。

 

本作の台本・演出がケラリーノ・サンドロヴィッチさん。

ケラさんの作品は何度か拝見したことがあり、私がとても好きな演出家さんの一人です。

 
今回の作品のストーリーが本当に面白い!!!!!

 

 

 

このストーリーは映画「カイロの紫のバラ」にインスパイヤされた、とケラさんもおっしゃっているように、基本的な話の流れは一緒なのですが、舞台を日本に置き換えたことにより、非常に観やすく面白く、笑いどころが盛りだくさんな喜劇でした!

 

妻夫木さんは売れない役者と、その役者が演じた時代劇の中の役柄、一人二役を演じています。

 

 その演じ分けがとっても上手で、もともとコメディドラマ等も出演されていましたが改めて、「彼はコメディアンなんだな」と思ってしまうほど(笑)

一方で、ロマンチックなシーンも随所に盛り込まれていて、ストレートなセリフが多いものだから本当にキュンキュンしました。

 

本作はとにかく演出に驚きました!

 

この作品にはびっくりする仕掛けが何度も登場したのですが、まず驚いたのが"「オープニング」がある"ということです。

 

私が何十作品と演劇を鑑賞していますが、オープニングがある作品はこれが初めてです。

これはやはり映画をインスパイヤしているという点から来た演出だと思いますが、プロジェクションマッピングを多様に用い、美術・演者・音楽・光が複雑に絡み合い構成されている様子に本当に感動しました。まさに演劇空間にいながら映画を観ているような気分になりました。

 

 

映画のストーリーをなぞるということで、場面転換が非常に多かったのですが、転換中も暗転せず、コンテンポラリーダンスというのか、踊りながら次の場面へ転換しており、これもまた、面白い演出でした。すべてがつながっているんですよね。ぶちっと切れていない。

 

 

 

本作は大きい劇場ではなく、シアタートラムという小劇場で上演されています。

私は初めてシアタートラムに足を運んだのですが、とても小さくて素敵な劇場だと思いました。喜劇は小さい劇場と相性がぴったりだと感じていて、笑い声が空間いっぱいになるんです。大きなセットチェンジもなく、手作り感満載で、それがとてもほっこりして、とてもいい作品に出会えました。

 

 

比較するわけではないですが、ここ最近観た作品の中で一番心打たれた作品です。

 

 

公演のDVDも発売されるとのことです。・・・買っちゃおうかな・・・(笑)

 

 

私は今回U-24チケットで観劇しました。

U-24チケットを購入するためには世田谷パブリックチケットセンターでの申込みが必要となりますが、一般料金の半額で購入することができます。

とても安いんです!

世田谷パブリックシアターもシアタートラムも面白い作品が沢山上演される劇場です。

ぜひ、若い方に沢山足を運んでいただきたいです!

 

 

 

 

【公演情報】

世田谷パブリックシアター+KARA・MAP #007「キネマと恋人」

 

出演:妻夫木聡緒川たまきともさかりえ三上市朗、佐藤誓、橋本淳、尾方宣久、廣川三憲、村岡希美、崎山莉奈、王下貴司、仁科幸、北川結、片山敦郎

 

公演日程:東京:11月15日(火)~12月4日(日) シアタートラム

     大阪:12月7日(水)~12月8日(木) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

     松本:12月11日(日)~12月12日(月) まつもと市民芸術館 実験劇場

     名古屋:12月15日(木)~12月18日(日) 名古屋市芸術創造センター

 

観劇日:2016年12月3日(土)13:00公演