若者による若者のための観劇レビュー

24歳が、24歳なりの視点で、同年代の若者に舞台の素晴らしさを、鑑賞した舞台のレビューを通して伝えていきたいブログです

『火花-Ghost of the Novelist-』を観劇した感想(ネタバレあり)

第29回目のレビューは、『火花-Ghost of the Novelist-』です。

 

 

f:id:kanazaaaaaawa:20180408192535j:plain

 

お笑い芸人ピースの又吉直樹さんの『火花』は、Netflixでドラマ化し、昨年には映画化もされましたが、今回とうとう舞台化されました!

 

小説の世界、と、作者の世界

 

 

まず、この舞台で驚きなのが原作者の又吉さんが出演しているということ。

『火花』の原作者であると同時に、この舞台の出演者として、原作者という役柄を演じている、という不思議な設定。

 

舞台上に原作者の又吉さんがいる。僕は原作者です、と言う。

そこに女優の観月ありささんが現れる。

観月ありささんは又吉さんに「火花」をください、という。

でも読んだことがないらしく、観月さんは『火花』を読み始める。

 

 

観月さんによって『火花』が語られ、登場人物が動き始める。

 

 

 

植田圭輔さん演じるスパークス徳永と、NONSTYLE石田さん演じる、あほんだらの神谷。

2人はどこまでも純粋で、まっすぐで、お笑いという世界でもがいてる。

まったく自分に嘘をついていない、そんな2人の姿が愛おしく、羨ましいとすら思いました。

 

小説の『火花』が目の前で繰り広げられた途中で、観月さんと又吉さんが出てきて、

小説の世界ではなく、作者の世界というか現実の世界(正確に言うと現実でもないですが・・・)に戻ってきます。

 

なかなか不思議な感覚です。

小説の中と外、ふたつの側面から『火花』を読んでいる感覚になりました。

 

 

徳永と神谷

 

 

『火花』の主人公である若手芸人の徳永は、若手俳優植田圭輔さん。

徳永が弟子入りする先輩芸人、あほんだらの神谷はNONSTYLEの石田さん。

石田さんは舞台にも多数出演しており、演技に定評があります。普段テレビで見るようなNONSTYLEの明るい漫才キャラクターとは打って変わり、あほんだらの神谷は破天荒で身なりも発言も尖ってる。

 

そんな神谷を石田さんは見事に演じ切っていました。

本当に凄い。喋り方や歩き方やちょっとした仕草まで、神谷さんにしか見えなかった。。。

 

 

石田さんはアドリブもふんだんに盛り込んでいて、終始演者さんを笑わせていました!

同じ舞台でも毎回違ったセリフがあったり、何回行っても楽しいんだろうな~と(笑)

 

 

石田さんの出演している舞台はほとんど観ているのですが、毎回濃いキャラクターを演じ切っていて、演技力素晴らしいなと思いました。

 

 

 

そして、徳永を演じている植田さん。

弱々しい風貌や、神谷への尊敬を、繊細な演技で演じていました。

 

 

 

スパークスの解散

 

 

徳永のコンビ、スパークスは解散することとなります。

相方の山下が結婚し、子供を授かったからです。コンビの解散は胸が苦しくなります。

 

 

スパークス解散前最後の漫才。

 

舞台上で最後の漫才をする2人。私たちはその瞬間から、『火花』を観劇しに来たお客さんではなく、スパークスの解散ライブを観に来たお客さんになります。

 

 

この漫才を観ている間、客席からは泣いている音、鼻をすする音が響いていました。

あんなにお客さんが泣いている舞台って今までなかったんじゃないかっているくらい皆泣いていました。お客さんも、スパークスも。

 

徳永の相方、山下を演じているのはお笑い芸人井下好井の好井さん。好井さんはNetflixのドラマでも山下を演じています。

ドラマの解散前の漫才も好井さん号泣しているんですけど、今回の舞台でも号泣していて。

泣き方が本物のようで。。。本当のコンビが本当に解散するときの涙のようで、私もつられてしまいました・・・。

 

 

役者ですね。芸人ですけど、凄い役者です。

 

 

 

 

舞台『火花』

 

 

 

 作中には登場しない、女優観月ありさが「観月ありさ」役としてストーリーテラーのように物語を進める一方、神谷の彼女「真樹」役として小説の中に登場したり、原作者の又吉さんが『火花』について話したり、小説を読むより深くまで『火花』の世界観を感じられる舞台となっていました。

 

 

 

5月には大阪公演もございます。皆様もぜひ行ってみてください!

 

 

 

 

【公演情報】

 

『火花-Ghost of the Novelist-』

 

原作:又吉直樹「火花」

 

出演者:観月ありさ植田圭輔石田明好井まさお又吉直樹・・・etc 

 

東京公演:2018年3月30日(金)~4月15日(日)  紀伊国屋ホール

大阪公演:2018年5月9日(水)~5月12日(土) 松下IMPホール

 

観劇日:2018年4月8日(日)14:00公演

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大人計画『さらば!あぶない刑事にヨロシク!』を観劇した感想

第28回目のレビューは、大人計画『さらば!あぶない刑事にヨロシク!』です。

 

f:id:kanazaaaaaawa:20180408001646j:plain

 

2016年に上演された「あぶない刑事にヨロシク!」の続編となる本作。

 

大人計画のメンバーによる、はちゃめちゃコメディーです!

 

 

 

皆川猿時荒川良々という怪物

 

 

 

とにかくこの二人の魅力にあふれた、二人の演技を存分に堪能できる本作。

 

設定もストーリーもはちゃめちゃで破天荒!でも、一つの作品として非常に魅力的な作品に仕上がっていました。

 

 

最初から最後までずっと笑っていた記憶しかありません。ただひたすらに面白い、それだけです!

 

 

皆川さんと荒川さんはバディとして事件を解決していきます。しかし、あぶない刑事のタカとユージようなバディ・・・にはならず、荒川さんの破天荒っぷりに終始引っ掻き回される皆川さん。

 

 

引っ掻き回される皆川さんがとっても大変そうなんですけど、見てて可愛らしいんですよね。破天荒な荒川さんもどこか憎めないというか・・・(笑)

 

 

2人で相撲をとったり、壁ドンしたり、歌ったり踊ったり・・・。

 

全く予期していないタイミングで予期していないことが起こり、どう展開していくのかがさっぱり分からないので、ずーとワクワクしていました。

 

 

観客参加型

 

 

今まで観劇した作品のなかで一番参加型な作品だったのではないかと思います。

 

 

荒川さんに「起立!」と言われて観客全員立ち上がったり(笑)、小道具が3つも配られたので劇中の様々なシーンで使用して参加しました。

 

 

 

演者の方々がステージから降りて、客席内を歩いたり走ったりするシーンもとても多く、近い距離感で観劇できたのが楽しかったですし、一緒に作品を作り上げている感覚があって、とても不思議な感覚でした!

 

 

 

個性派俳優集結 

 

 

皆川猿時さんと荒川良々さんはじめ、出演者全員のキャラクターがとてつもなく濃かったです。

 

 

大人計画池津祥子さん、近藤公園さん、杉村蝉乃介さん、とそうそうたる個性派メンバー。

 

 

また2年後くらいに続編を上演してくれないかなぁ・・・なんて淡い期待をしています!

 

 

【公演情報】

 

 

『さらば!あぶない刑事にヨロシク』

 

 

出演者:皆川猿時荒川良々池津祥子、杉村蝉乃介、近藤公園上川周作、早出明弘、本田ひでゆき、河原雅彦

 

 

公演日:2018年3月16日(金)~4月1日(日) 本多劇場

 

 

観劇日:2018年3月30日(金)19:00公演

 

舞台『密やかな結晶』を観劇した感想(ネタバレあり)

第27回目のレビューは、石原さとみさん主演の『密やかな結晶』です。

 

f:id:kanazaaaaaawa:20180226212743j:plain

 

本作は、石原さとみさんが4年ぶりに舞台へ出演されるということで非常に注目されております。

 

 

舞台は、とある島。

 

昨日まで存在していたものが今日は消滅している、物もその物にまつわる記憶も全てが跡形もなく消滅していってしまう不思議な島。

 

そんな不思議な島に住む小説家、“わたし”は両親を幼い頃に亡くし、おじいさんと二人暮らし。おじいさんは“わたし”が幼いころから共に暮らしているお世話係だが、見た目がずっと20歳のままで止まっている。

 

“わたし”は日々自宅で小説を書き、その原稿を受け取りに編集者“R氏”が時々家を訪ねてくる。そんな日々の生活の中で、今日も記憶が少しずつ消滅している。

 

ある日R氏は、誰にも言っていない秘密を二人に告白する。

 

自分は「記憶保持者」である、と。

 

記憶が消えていくはずのこの島で、稀に存在する、「記憶が消えない人間」。

記憶保持者は、島の秩序を守る謎の組織「秘密警察」によって連行されてしまう。

 

R氏の告白がきっかけとなって、3人の人間関係は大きく変わり、また、秘密警察が3人に近づき追いつめていく。

 

消滅が止まることなく進んでいくこの島で、それぞれの運命とともに3人はどう生きるのか・・・。

 

 

石原さとみ演じる小説家“わたし”と 20歳のおじいさん

 

 

石原さとみさん演じる“わたし”は落ち着いた大人の女性。記憶は日々消滅してしまうけれど、消滅したものに対して好奇心を抱き、想像を膨らませたりと、発想がとても豊かです。

 

また、R氏の告白がきっかけで、彼を必死に秘密警察から守ろうと、勇敢な一面も持ち合わせています。

 

そんな“わたし”を石原さとみさんはとても丁寧に演じておりました。

 

天真爛漫なキャラクターを演じられている時が多い印象ですが、今回は、小説を書きながら島でひっそりと暮らす女性。

ものが消滅しまうことや自分の運命を受け入れながらしっかりと生きている姿が彼女にぴったりと重なりました。

 

言葉のひとつひとつにしっかりと芯があり、強い。

 

R氏の告白によって、自分の気持ちに素直になり、彼を守り、彼のそばにいることが生きている意味なのだと強く感じます。

 

その気持ちが彼にも届き、彼を精神面から支える大きな存在となっていきます。

 

 

後半になるにつれて、鈴木浩介さん演じるR氏との2人きりのシーンが多く、繊細な会話劇が繰り広げられます。

 

消滅や警察の追手という運命から逃れられない不安や恐怖が、二人を引き裂こうとします。ですが、その恐怖にすら立ち向かおうとする二人の姿に、切なさと同時に胸がじわーっと温かくなったことを覚えています。

 

 

 

若手俳優村上虹郎さんが演じたのは20歳のおじいさん。

確かに言葉遣いや記憶はおじいさんという、なんとも不思議な設定のキャラクターです。

 

 

でも不思議とおじいさんに見えてくるんですよね、動きは機敏なんですが・・・(笑)

“わたし” を思いやる気持ちやお世話をしている姿を見ていると自然と見えてきました。

 

“わたし”が危険を冒してR氏を匿うと決めたときも、おじいさんは彼女の気持ちを汲んでサポートをします。

“わたし”に対して親同然の愛情があるからこそ、「記憶保持者」であるR氏を匿うことで危険な状況下で生活させたくない。しかし、“わたし”の気持ちにそっと寄り添い、近くから見守ることを決めたのです。

 

 

おじいさんはとある事件に巻き込まれ、舞台上でたったひとり、命の終わりを迎えます。最期の最後まで“わたし”のことを心配し、想い続ける姿が切なく、印象的なシーンでした。

 

 

秘密警察と記憶保持者のR氏

 

 

“わたし”の小説編集者であり記憶保持者でもあるR氏を演じたのは鈴木浩介さん。

役によって2枚目も3枚目も演じられる、とても役幅の広い役者さんです。

 

鈴木さんが舞台上にいることで、作品がしっかり引き締まる、そんな感覚にすらなりました。

 

 

秘密警察のリーダーを演じられていたのは山内圭哉さん。この方も鈴木さん同様、私の大好きな役者さんです。

昨年は劇団新感線「髑髏城の七人Season風」で兵庫というひょうきんな役柄を演じられておりましたが、今回も。この方にコミカルな役を演じさせたらピカイチです。

 

 

鈴木さんと山内さんが対面するシーンが1シーンだけありました。

 

誤解が解け、お互いの気持ちに素直になりたいのになれない兄弟。二人の喋り方や距離感が、もどかしさを物語っておりました。なんとも人間らしいのですが、胸が苦しくなるシーンでした。

 

 

記憶が消滅する者と記憶が残る者

 

 

R氏は匿われる生活を続けるうちに、生きる必要性や存在価値を見出せなくなっていきます。とうとう”小説”も消滅し、自らの仕事も失う羽目に。

 

運命に翻弄され、未来へ絶望していくなかで、“わたし”が彼を支え続けます。

 

 

しかし、、“わたし”に大きな変化が。消滅は体の一部にまで及んできたのです。

 

 

いつか “わたし”の全てが消滅する。

 

 

R氏はそんな“わたし”を、本来の豊かな記憶の世界へ引き戻そうと必死に彼女に語りかけます。

 

 

記憶が消滅する者と記憶が残る者。

それぞれがお互いを思いやればやるほど、見えない溝が深くなっていくようで、静かで苦しい時間が流れます。

 

 

石原さとみさんと鈴木浩介さんが、それぞれの感情描写を繊細に演じており、感情を

絞って吐く、言葉に気持ちを封じ込めて届ける、そんなふたりの会話に胸がぎゅっとなりました。

 

 

運命には抗えず、“わたし”は最期のときを迎えます。

 

 

このシーンは、彼女が横になっている隠し部屋だけがステージ上にある状態。

他の舞台装置が全て袖にしまわれ、真っ暗な空間に二人のいる部屋だけが浮かんでいるように見えました。

 

 

 

もうすぐ命尽きそうな“わたし”をR氏は抱きかかえ、行くな、まだ、行かないで。と呼びかけます。

 

でも“わたし”には運命を受け入れる覚悟がありました。

 

“わたし”が確かに生きていたという記憶はR氏のなかで生き続ける。この記憶は消滅しない。

 

だからこそ、“わたし”は運命を受け入れることができたのだと感じます。

 

 

 

 

そして彼女は消滅します。

 

 

儚い最期を迎えたあと、一番最初に消滅した“バラ”がこの島に戻ってきたのです。

 

 

バラの花びらが舞台上いっぱいに降り注ぎ、なんとも美しく幻想的な空間が広がりました。

 

 

 

 

哀しい物語のようで、人と人との心のつながりがとても温かく感じ、記憶することとは、生きるとは、一体なんなのかを考えさせられる作品でした。

 

 

 

 

想像していなかった演出

 

 

 

舞台は“回り舞台”というステージの中心に回転式の舞台を設置し、回転させながら、場面転換する装置でした。

 

 

転換中に暗転させず、話の流れを切らなくていいので、場面転換の多い作品によく用いられているなぁという印象です。

 

 

また、秘密警察の出演シーンは、歌って踊るミュージカルのようなシーンとなっており、“わたし”やおじいさん、R氏の会話劇とは全く異なる色彩で、緩急のはっきりとした演出が想像と異なりかなり驚きでした。

 

 

 

 

この作品は原作があるそうなので、ぜひ読んでみたいと思います。

 

 

 

今回、東京千秋楽公演を観劇したので、東京公演はもう終演してしまいましたが、富山・大阪・久留米公演が3月からございます。

 

 

 

皆様もぜひ行ってみてください!

 

 

 

【公演情報】

 

 

『密やかな結晶』

 

原作:小川洋子

 

脚本・演出:鄭義信

 

出演:石原さとみ村上虹郎鈴木浩介山内圭哉ベンガル、藤原季節、山田ジェームズ武、福山康平、風間由次郎、江戸川萬時、益山寛司、キキ花香、山村涼子

 

公演:

 

東京公演:2018年2月2日(金)~2月25日(日) 東京芸術劇場プレイハウス

 

富山公演:3月3日(土)~3月4日(日) 富山県民会館

 

大阪公演:3月8日(木)~3月11日(日) 大阪 新歌舞伎座

 

久留米公演:3月17日(土)~3月18日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール

 

観劇日:2018年2月25日(日)13:00公演  (東京千秋楽)

 

『スマートモテリーマン講座』を観劇した感想(ネタバレあり)

第26回目のレビューは、約5年ぶりの再演となる「スマートモテリーマン講座」です。

 

f:id:kanazaaaaaawa:20171227225244p:plain

 

演出家 福田雄一×安田顕の最強タッグによる公演ということでも非常に注目されております。

 

本作は、自称モテるサラリーマン“モテリーマン”が、モテるサラリーマンになるためのレクチャーを講座形式でお届けするコメディー作品です。

そして私たち観客は、モテリーマン講座の受講生となってモテ術を学びます。

 

今回の福田演出も決して期待を裏切らず、高い期待を軽々と超えていく面白さ!

パロディーしまくり、アドリブ入れまくりの全部乗せ増し増し大ボリュームでした。

 

キャラクターの濃い俳優陣

 

 

戸塚純貴演じる冴えないサラリーマン青年が、若月佑美演じる女性社員に恋をし、その恋を成就すべく奮闘する姿をモテリーマンが解説しながら話は進んでいきます。

しかしモテリーマンのアドバイスはどこか抜けていて、あまり参考にならないものばかり。ですが本人はいたって本気。全力で私たち受講生にモテ術をレクチャーしてくれます。

 

そのモテリーマンを演じたのはTEAM NACSの安田顕さん。

安田さんの個性的なモテリーマンは笑っちゃうに決まってます!

 

テリーマンのキャラクターは大ボケですから、やはりツッコミがとても重要。

 

そのツッコミ役を担っていたのはお笑いコンビ“シソンヌ”の長谷川さん。

 

私、シソンヌ大好きなんです。なので、この作品に出演されると聞いたときはとても嬉しかったですし、観終わったあともこの作品には必要な人たちだったと感じました。

 

 

もちろんシソンヌのボケ、じろうさんもかなり存在感がありました。

シソンヌの単独ライブ来たのかな?と錯覚するほど彼らが舞台上にいなくてはならない。長谷川さんのツッコミやじろうさんの変幻自在なキャラクターで笑いがどっかんどっかん起きるシーンが沢山あり、シソンヌ好きとしてはたまらなかったです(笑)

 

福田さんによる福田さんにしかできない演出

 

 

そしてなんといっても何よりも見どころは福田さんの演出!

 

突拍子もなくパロディーの要素盛り込んだり、しかもクオリティの低さがなんとも絶妙で笑ってしまうのです。

 

少年ジャ○プの某人気キャラクターや、世界的に大人気の黄色いキャラクターが大量に出てきたりと福田節炸裂です。

 

アドリブもかなり多く、結果、公演時間が予定より15分伸びてました(笑)

 

ずーっとコントを見ているような感覚になるほど笑いの止まらなかった本作。なんともサービス精神豊富な大満足の内容でした。

 

 

【公演情報】

 

 

『スマートモテリーマン講座』

 

脚本・演出:福田雄一

 

出演:安田顕、戸塚純貴、若月佑美乃木坂46)、水田航生、シソンヌ(長谷川忍・じろう)、ブラボーカンパニー(山本泰弘・太田恭輔・金子伸哉・野村啓介・保坂聡)

 

公演日:

東京公演 11月2日(木) かめありリリオホール

青森公演 11月15日(水) 弘前市民会館

北海道公演 11月18日(土)~19日(日) 道新ホール

宮城公演 11月23日(木) 仙台電力ホール

愛知公演 12月6日(水) ウインクあいち 大ホール(愛知県産業労働センター

静岡公演 12月12日(火) 静岡市清水文化会館マリナート 大ホール

東京公演 12月15日(金)~30日(土) 天王洲 銀河劇場

 

観劇日:2017年12月22日(金)19:00公演

『管理人』を観劇した感想(ネタバレあり)

第25回目のレビューは、ノーベル文学賞受賞作家である劇作家、ハロルド・ピンター作「管理人」です。

 

f:id:kanazaaaaaawa:20171227224434j:plain

 

日本での上演はあまり無いそうですが、代表作と言われている本作品。

 

劇場は三軒茶屋にある“シアタートラム”

客席数が200ほどしかない小さな劇場で上演されました。

舞台と客席との距離が近い、素敵な劇場です。

 

三人芝居

 

 

舞台はアストンが住んでいる部屋。遠近法を用い、奥行きを表現したセットが秀逸でした。

部屋は殺伐としていて、アストンは必要のないようなものを拾い集めては部屋に置いているそうで、物で溢れかえっていました。

 

登場人物は温水洋一さん演じる老人デーヴィスと若い兄弟、溝端淳平さん演じるミックと忍成修吾さん演じるアストンの三人だけ。

 

若い兄弟と老人とのなんとも奇妙な関係が、濃密な会話を通して描かれます。

 

世の不条理さや人間の醜さが強く描かれ、それぞれの抱えている思いが言葉の洪水となり溢れ出ていました。

 

兄のアストンはゆったりした口調で、職を失って困っていた老人デーヴィスを部屋に泊めてあげるほどの優しさを持っている青年。話し方や歩き方に特徴があり、過去に起こったとある事件によって障害を負っていることが後半明らかになります。

 

老人デーヴィスとアストンの会話はちぐはぐで、成り立ってないような、でも成り立っているような、不思議で緊張感のある空間が続きました。

 

そんな緊張感を破り、溝端淳平さん演じるミックが登場します。そんなミックもまた、老人デーヴィスと不思議な関係となっていくのです。

 

アストンとミック兄弟の関係も独特で、彼らは目が合っても会話ひとつしません。ミックが部屋に入ってくるとアストンは出ていってしまうほど。ミックはそんなアストンに対して少し不満があるようです。

 

アストンとミックはある日、老人デーヴィスに「この部屋の管理人にならないか?」とそれぞれが持ち掛けました。もちろん二人がその言葉を言った目的は異なっているのですが・・・。

 

その言葉をきっかけに、今まで何とか保ち続けていた三人の均衡が崩れ始めるのです。

崩れ始めるのは簡単だが、元に戻すことは困難。

 

それぞれの秘めた思いがろうそくのようにじわじわ溶け始め、流れていきます。

 

弱い者が弱い者をいじめている姿は見ていて心苦しい。人の弱さや醜さを感じました。

 

私たちは舞台上=部屋の中で起こっていることしか見ることができず、外の世界のことは彼らの会話からでしか読み解くことができません。彼らは頼りあうこともできず、雨が降り続いていることで外も長いこと出歩けないというような“閉塞感”を、全体を通して強く感じたように思います。

 

テンポの良い台詞が続き、同時に緩急のはっきりした三人の演技を通して、不条理劇である部分が後半強く描かれていました。逆に前半はクスっと笑ってしまうような愛くるしいシーンも沢山ありました。

 

最初から最後までたった三人しか出てこない芝居というものを初めて観劇しました。

 

しかし三人が舞台上にいた顔を合わせたシーンは少なく、老人とどちらかの兄弟の二人だけのシーンが多い印象です。

 

老人デーヴィスの長くて早口な言い回しが印象的で、ガサツで汚いキャラクターを温水さんが演じられていることにとても驚きました。あまりそういう印象がないもので・・・。

そして12月19日に発表された、紀伊国屋演劇賞にて個人賞も受賞されました!受賞された演技を目の前で観ることができて、貴重な経験をさせていただきました。

 

 

私は東京千秋楽公演をU-24チケット(東京公演のみ)で観劇しました。

U-24チケットは当日券が無いため先行申込が必要ですが、通常よりかなり低価格で観劇することができるので、24歳以下の方にはとってもおすすめです。

 

 

 

 

【公演情報】

 

 

『管理人』

 

 

出演者:溝端淳平忍成修吾温水洋一

 

 

公演日:

東京公演:2017年11月26日(日)~12月17日(日) シアタートラム

兵庫公演:2017年12月26日(木)~27日(金) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

 

 

観劇日:2017年12月17日(日)13:00公演

 

 

 

『髑髏城の七人 Season月 ~上弦の月~ 』を観劇した感想(ネタバレあり)

第24回目のレビューは、IHIステージアラウンドこけら落とし公演第4弾、劇団☆新感線『髑髏城の七人 season月 ~上弦の月~』です!

 

f:id:kanazaaaaaawa:20171126174322j:plain

 

 

客席回転型劇場「IHIステージアラウンド」のこけら落とし公演として、1年3か月にわたるロング公演を行う劇団☆新感線『髑髏城の七人』。

 

 

5つのシーズンに分けて上演する本作。その第4シーズンとして公演中の"Season月"は、異なるキャストで構成される「上弦の月」と「下弦の月」の2チームが交互に上演を行う、2チーム制となっております。

 

 

※これまでのシーズン公演レビューは以下に掲載しております。

「髑髏城の七人 Season花」を観劇した感想(ネタバレあり) - 若者による若者のための観劇レビュー

 

『髑髏城の七人 season鳥』を観劇した感想(ネタバレあり) - 若者による若者のための観劇レビュー

 

『髑髏城の七人 Season風』を観劇した感想(ネタバレあり) - 若者による若者のための観劇レビュー

 

 

超ワカドクロ

 

 

今回、私が観劇した“上弦の月”は、主人公の捨之介役を初舞台となる福士蒼汰さん、天魔王役を早乙女太一さん、蘭兵衛役を三浦翔平さん、兵庫役を須賀健太さん、極楽太夫役を高田聖子さん、狸穴二郎衛門役を渡辺いっけいさんが演じるほか、これまで「沙霧」の役名で演じられてきた少女役が「霧丸」という少年役となり、平間壮一さんが演じております。

 

史上最年少で捨乃助を演じる福士蒼太さんをはじめとして、天魔王役の早乙女太一さん、蘭兵衛役の三浦翔平さんも全員20代。

また、須賀健太さんも史上最年少での兵庫役であり、歴代の髑髏城の七人と比較して、“超ワカドクロ”などとも呼ばれています。

 

 

演出のいのうえさんもおっしゃっていたように、Season月は演者の年齢層に合わせ、“若気の至り”の部分が強く描かれておりました。

 

 

正しいと思ったことにまっすぐに突き進んでいく力強さ、情熱、勢い、というような若いからこそ持っているような力の部分がそれぞれのキャラクターに濃く打ち出されておりました。

 

 

舞台初挑戦の福士蒼太

 

 

初舞台で初主演の福士蒼太さんによる捨乃助は、今までの捨乃助像とは一味違った、男らしい力強い、新たなキャラクター像となっておりました。

 

若気の至りがSeason月のテーマとなっているように、自分の信じた道をひたすら進んでいくような真っ直ぐな捨乃助は、Season花・鳥・風の捨乃助とはまた違う魅力が満載!!!

 

初舞台とは思えないほど、どっしりとした存在感で、若さを存分に発揮した捨乃助はとってもかっこよかったです!

髑髏城の七人の見どころの一つといえば、立ち回りのシーン。

殺陣が非常に多く、かなりの運動量です。

 

私は本公演を初日に観劇したせいか、捨乃助の殺陣のクオリティが少々気になりました・・・。初日なのでしょうがない部分ではありますが・・・。しかし、これから徐々に素晴らしいものになっていくと感じました。

これから観劇される方はお楽しみに・・・!!!!

 

 

そして本作では、今まで沙霧として演じられてきた役が“霧丸”という少年役へと変わっている点が注目です。

上弦の月では、平間壮一さんが演じられております。

霧丸という役へ変わったことで、捨乃助との関係性が今までと大きく変わっています。

男と男の友情という部分が強く打ち出されており、霧丸は捨乃助の真っ直ぐな思いに付いていこうと決心するのです。

 

霧丸は天魔王を深く恨んでおり、天魔王への怒りで後先考えず行動してしまうようなキャラクター。天魔王へ復讐しようと髑髏党と何度も闘うんだけど、肝心なところでいっつもやられてしまう・・・(笑)

それがまた愛くるしいというか・・・。沙霧と同じセリフや動きの部分も多いですが、少年ならではのセリフもあり、意外と私は好きでした!!!

 

霧丸を演じられた平間さんは、以前から知っている俳優さんではあったのですが、演技をきちんと見たのは初めてで、とても細かな表情や仕草の部分まで繊細に演じられており、素晴らしかったです。霧丸の少年ぽさの部分もとても上手で、かなり適役だったのではと思いました。

 

 

早乙女太一による天魔王

 

新感線ファンの方がとても気になっているのが、天魔王を早乙女太一さんが演じられていることだと思います!

この“上弦の月”の大きな見どころのひとつです。

 

早乙女太一さんは2011年版の髑髏城の七人や、今年上演されたSeason鳥で蘭兵衛を演じられています。

そのため、今まで演じたことのない天魔王に挑戦されるということで、どのような天魔王になっているのか、とても楽しみにしておりました。

 

早乙女さんの殺陣は他の人と比べようがないほどがスピードが早く、圧倒的に美しい。

 

蘭兵衛は大立ち回りがあったのですが、天魔王は最後の捨乃助との直接対決のシーンくらいしか大きな殺陣のシーンがありません。

そのため、蘭兵衛を演じられていた時より、演出の都合上、美しい殺陣を拝見することができませんでした。それでも、殺陣のシーンはとても美しく、ずっと観ていたくなくなります。

また、天魔王としての存在感はとてつもなく、何を考えているのか分からないような冷酷さや天下統一への恐ろしいほどの執着心が見え隠れするような、今までの天魔王とはアプローチの異なる恐ろしさを持ったキャラクターでした。

 

 

 

 

大きく演出の異なったSeason月

 

 

今回は、いままでのSeasonとは演出がかなり変わっていたことに驚きました。

舞台セットなどは大きく変わってはいなかったのですが、超ワカドクロだからでしょうか、とにかく動きを多く取り入れた演出だったと感じました。

 

荒野から無界屋へ移動するシーンでは捨乃助が遊女を踊ったり、無界屋で関八州荒武者隊のメンバーが踊ったりと、とにかくにぎやかでした。

また、沙霧の時にはあったシーンが霧丸になったことで無くなっていたり、それに伴い、霧丸の殺陣のシーンが増えたり、捨乃助と天魔王の対決シーンの斬鎧剣での闘い方がかなり大きく異なっていたりと、これまでのSeasonを観ていたからこその違う髑髏城の七人の魅せ方が目の前で繰り広げられておりました。

 

 

 

また、来年3月からは髑髏城シリーズ最後の第5シーズンである、『修羅天魔』が上演されます。

この作品はこれまでの4シーズンとは異なり、捨乃助も蘭兵衛も出てこない、極楽太夫が主人公の、全く異なる髑髏城の七人となるそうです。

その極楽太夫を演じるのが、天海祐希さん。

極楽太夫と愛憎劇を繰り広げる天魔王が古田新太さん、が演じられます。

スピンオフ的な作品ではなく、まったくの新しい髑髏城ということなので、こちらも非常に楽しみです!!!

 

 

髑髏城の七人Season月は2018年2月21日まで上演しております。

 

人気公演のため、前売り券は完売しておりますが、当日券も毎日出ておりますし、チケット代は少々お高いですが、素晴らしい劇場で素晴らしい演目を観劇する絶好の機会です!

ちなみに上弦の月下弦の月と、交互での上演ですので、チケットを取る際はお間違いないようにお気を付けください!

 

 

【公演情報】

 

『ONWARD presents 劇団☆新感線 髑髏城の七人 season月』

 

 

出演者:

上弦の月】福士蒼太、早乙女太一、三浦翔平、須賀健太、平間壮一・・・etc

下弦の月】宮野守、鈴木拡樹、廣瀬智紀、木村了、松岡広大・・・etc

 

 

公演日:2017年11月23日(木・祝)~2018年2月21日(水) IHIステージアラウンド東京

 

 

観劇日:2017年11月23日(木・祝)18:00公演

 

 

 

 

 

 

 

 

『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』を観劇した感想(ネタバレあり)

第23回目のレビューは、『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』です。

 

f:id:kanazaaaaaawa:20171101231439j:plain

 


本作は、生田斗真×菅田将暉のダブル主演という豪華な顔ぶれな作品ということで非常に注目されております。

 

 

会場は世田谷パブリックシアター

座席数も約600席と少なく、全体的にステージとの距離の近い中劇場です。

 

 

大劇場じゃないからこそ生み出せる会場の独特な空気感と役者から直接伝わるパワーを感じました。

 

 

本作は、シェイクスピアハムレット」に端役として登場し、最後には「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」の一行で片付けられてしまった2人組”ロズとギル”を主人公にした、劇作家トム・ストッパードが書き上げたハムレット外伝です。

 

 

もちろんハムレットを知らない状態で観劇しても十分面白い作品ではあるのですが、ハムレットのスピンオフ的な作品のため、これから観劇される方はハムレットを読んでいくことを強くおすすめします。

メインストーリーであるハムレットを知っていることで、”ロズとギル”の置かれている状況や時間軸など理解度が高まり、より一層作品に没入できるのではないかと思います。

 

 

生田斗真菅田将暉によるロズとギル

 

ある日、ハムレットの学友であったローゼンクランツとギルデンスターンは国王に突如呼び出され、ハムレットの様子がおかしいので理由を探ってほしいと頼まれます。任務を遂行しようと躍起になる一方、本人たちの理解が追い付く前にどんどんとハムレットのストーリーは進んでいくのです。なすすべもなく、彼らは自分たちの運命に翻弄され、最後に待ち受けている”死”をただひたすらに待っているしかないのでしょうか。

 

 

最後には死に向かっていく殺伐とした哀しい物語のはずなのに、ブラックコメディとして描いている非常に面白い戯曲です。

 

 

ロズとギルのテンポの良い掛け合いにクスッと笑ってしまうシーンが満載で、そこが本作の大きな魅力のひとつとなっています。

 

 

数奇な運命を辿るローゼンクランツとギルデンスターンを演じるのが、生田斗真さんと菅田将暉さん。

 

ロズとギルはいつも一緒であり、自分の名前と相手の名前を間違えるほど。

そんな二人組を、様々なメディアに引っ張りだこの大人気俳優であるお二人が演じるということで、とても楽しみにしておりました。

 

 

何事にも直感的に動く”ボケ”担当のローゼンクランツを生田斗真さん、

物事を深く読み解き、状況を把握しようとする”ツッコミ”担当のギルデンスターンを菅田将暉さんが演じておりました。

 

 

2人ともセリフ量が尋常じゃない!!とにかく凄まじいです。

しかも舞台の幕が下がるまで、一度も舞台上からはけることがないのです。10分休憩が2回ありますが、第3幕まで計2時間半ずっと2人は会話を繰り広げ続けます。

 

 

生田斗真さんは声色や仕草の一つ一つまで意識してロズというキャラクターを構築しているように見てとれ、役者としてとにかく器用な方なんだなぁと。

 

菅田将暉さんはギルというキャラクターの性格上、論理的なセリフが多く、ロズのはちゃめちゃな発言を訂正するという役柄のため、とにかくセリフが多いのですが、終始早口で喋り続けるあのエネルギーに圧倒されました。

 

 

 

戯曲は哲学的であって、言葉遊びが多く、とても難しい。2人の会話は、幾重にも言葉が積み重なって層となり、混沌として話が全く進まないのです。同じようなセリフが多いなかでそれぞれの心情を汲み取り、真っすぐなエネルギーで斗真さんと菅田さんが丁寧に演じておられました。

 

 

 

2人を翻弄するハムレット

 

そんな二人のストーリーの裏では、ハムレットのストーリーが進んでいきます。主人公であるハムレット林遣都さんが演じております。

高尚であるはずのハムレットがロズとギル2人の視点から描かれているので、父上の亡霊と話をしているはずのハムレットが、亡霊とではなく独り言を言っていると思われていたりと、少しダサいキャラクターになっているというか・・・(笑)

本家とは違ったハムレット像となっていて、かなり面白かったです。

 

ちょっと調子に乗っている風の演技が林遣都さんにぴったりとハマっていました。

 

 

 

ロズとギル2人の旅路は人が生まれて死ぬまでの人生そのものだと、演出家の小川さんはおっしゃっています。それがどういうことなのか、この作品を観れば分かるはずです。

 

彼らは時が経つにつれて、自分たちが何をするべきなのかも、どこに向かうべきなのかも、自分が一体何者なのかも分からなくなります。

 

人はいずれ死ぬけれど、なぜ自分達がなぜ死ぬ運命なのか、悩んでも悩んでも分かりません。でもこの疑問は、人間が生きている限り付きまとう、答えのない永遠の疑問です。

 

ロズとギルの言葉は自分達に言い聞かせているようで、私たち観客に対して言っているように聞こえます。実際、私たち観客に対して声を荒げるようなシーンもあり、劇場という空間を利用して、2人のいる世界に引きずり込まれるのです。

 

 

戯曲ならではの演出

 

戯曲は演出によってイメージがかなり変わります。

 

今回の舞台上にはシンプルな大きい黒い階段があるだけで、セットというセットはありません。そして始まる直前までスタッフさんが舞台上では照明の点検をしていたり、掃除機をかけていたりしていたのですが、それすらも演出であって、今思うと、“そこからすでに舞台は始まっていた”のです。

 

開演時間になっても始まる気配がなく、舞台右端に置いてあったレンガ調の大きな板をスタッフが片付けるように左手に運んでいきます。

真ん中で一度止まり、また動き出すと板の後ろから生田斗真さんと菅田将暉さんが現れ、なんともしれっと舞台が始まったのです。

 

2人が現れてから、客席の照明が暗くなるという通常の始まり方ではない始まり方をしており、この演出には驚きでした。

セットらしいものがなく、ステージの装置や骨組みが見えている状態。世界観を作りこんでいないような空間であえて見せているのが、かなり秀逸でした。

 

 

 

最後、ローゼンクランツとギルデンスターンはハムレットの筋書き通り死んでしまいますが、殺されるシーンはありません。「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」の一言だけで表現されます。

 

しかし最後、真っ暗なステージの中、ライトが菅田将暉さんをひとり照らし、この運命に対するギルの心の叫びを話すのです。そのなんとも言えない表情と情景にロズとギル2人の哀しい運命が映し出されておりました。

 

 

 

戯曲は非常に難しく、苦手意識を持ちやすい。

私も最初は古典戯曲の内容に理解が追い付けず苦手でした。

 

しかし、抽象的な分、様々な解釈ができるのも戯曲の素晴らしい点。そう思うと苦手意識はなくなり、むしろ今は積極的に観劇しています。

 

本作品をきっかけに、皆様も様々な戯曲に触れてみてはいかがでしょうか!

 

 

 

【公演情報】

 

 

シス・カンパニー「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」

 

 

出演者:生田斗真菅田将暉林遣都半海一晃、安西慎太郎、田川隼嗣、林田航平、本多遼、章平、長友郁真、松澤一之、立石涼子小野武彦

 

 

公演日:2017年10月30日(月)~11月26日(日) 世田谷パブリックシアター

 

 

観劇日:2017年10月31日(火)19:00公演