若者による若者のための観劇レビュー

23歳が、23歳なりの視点で、同年代の若者に舞台の素晴らしさを、鑑賞した舞台のレビューを通して伝えていきたいブログです

『髑髏城の七人 Season風』を観劇した感想(ネタバレあり)

第22回目のレビューは、IHIステージアラウンドこけら落とし公演第三弾、劇団☆新感線『髑髏城の七人 season風』です!

 

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客席回転型劇場「IHIステージアラウンド」のこけら落とし公演として、1年3か月にわたるロング公演を行う劇団☆新感線『髑髏城の七人』。

 

 

5つのシーズンに分けて上演する本作。その第三シーズンとして公演中の"season風"は、捨乃助と天魔王を一人が演じるという、かなり面白い設定へ変更された、前2シーズンとは大きく異なる「髑髏城の七人」でした!

 

 

※「髑髏城の七人Season花」(小栗旬主演)は第12回レビューに掲載

「髑髏城の七人 Season花」を観劇した感想(ネタバレあり) - 若者による若者のための観劇レビュー

 

※「髑髏城の七人Season鳥」(阿部サダヲ主演)は第18回レビューに掲載

『髑髏城の七人 season鳥』を観劇した感想(ネタバレあり) - 若者による若者のための観劇レビュー

 

 

 

松山ケンイチ VS 松山ケンイチ

 

捨乃助と天魔王の二役を演じたのは、松山ケンイチさん。

 

捨乃助を演じられているときは、陽気で楽観的。喋り方も軽く、純粋さや少年ぽさを併せ持つポップなキャラクター。初演の古田新太さんやSeason花の小栗旬さんが演じられていたときような、女好きな部分も見え隠れする、"遊び人"なイメージを踏襲していました。

 

一方、第二幕で登場する天魔王を演じられているときは、豪快で冷酷、声も低くてゆったりと重たい。Season花やSeason鳥よりもビジュアルを信長に寄せており、いまは亡き君主、信長の野望を達成しようとする天魔王の思いが強く表れておりました。

 

 

一人二役というのは、もともと捨乃助と天魔王は、かつて君主信長につかえる影武者として活躍していた、"同じ顔を持つ男"という設定です。

そして、捨乃助と天魔王、そして同じく信長に仕えていた蘭兵衛の三人は、信長を失ってから生きる目的を失い、ばらばらの道を歩むこととなったのです。

 

 

昔は同じ方向を向いて共に闘ってきた三人が、ばらばらになって、敵対する相手となってまた再会するというこのストーリーは本当に観ていて分かり易いですよね!それが長い間この作品が愛されている理由の一つだと思います。

 

 

何といっても松山ケンイチさんの、捨乃助と天魔王の演じ分けがこの舞台のキーポイントになってきます。松山ケンイチ松山ケンイチが対峙する構図になるわけです。

もちろん、実際の舞台上で直接顔を合わせて対峙することはできませんが、そう想像させることができる演出になっていたのが驚きです。

 

 

とにかく松山ケンイチさんの演じ分けが凄まじかったんです・・・。

捨乃助は、一見すると陽気で遊び人だけど、闘いとなるとめちゃくちゃ強く、情に厚いキャラクター。Season花の小栗旬と描き方が似ているため、別物と思いながらもどうしても比べてしまったのですが、松山ケンイチさんの方が"陽気"という要素が全面に出ていて、殺陣のかっこいいシーンとのギャップが大きい。だからこそ、捨乃助の歩んできた辛い過去がより強調されていたのでは、と感じました。

 

 

そして、陽気な喋り方に強弱がはっきり付いていることで、感情が声に乗っていて、捨乃助の理想像にいちばん近いと思いました。めちゃくちゃかっこよかった・・・。

 

 

一方の天魔王。

あまり声が荒げず、淡々と、説き伏せるようにして蘭兵衛に語りかけるその姿に恐怖を感じました。権力を使い、目的のためなら手段を選ばないという信長の意思を表情や立ち振る舞いや声から感じました。

本当に捨乃助を演じていた人と同一人物なのか!?と思いたくなるほど別人です。演じ分け、凄まじかったです。

 

 

映画やドラマじゃ魅力がすべて伝わらない、舞台映えする人なんですね・・・。は~こんなにかっこいいとは思わなかった・・・♡笑

 

 

今回最長の殺陣シーン

 

無界屋蘭兵衛を演じるのが、劇団新感線初参加となる向井理さん。

 

舞台を観る前から、蘭兵衛さんにぴったりだな~と思っており、どんな蘭兵衛さんを演じられるのか楽しみにしておりました。

本格的な殺陣が初挑戦だそうで、前シーズンの早乙女太一蘭兵衛を観たあとということもあり、殺陣のクオリティが少々気になってしまったのですが、佇まいに凛々しさや色気があって、蘭兵衛さんそのものでした!

 

蘭兵衛さんが無界屋を守るため、一人髑髏城に向かうシーンは圧巻で、白い花畑から客席を回転させながら荒野へ移動し、髑髏城の前まで闘い続ける殺陣は、今回の舞台の中で最長のシーンだそうです。

その殺陣の中には移動しながらプロジェクションマッピングを用いて相手を斬り殺すような演出も含まれており、Season花や鳥にはなかった演出が取り入れられておりました。

 

 

蘭兵衛と天魔王が対峙するシーンで見どころの一つなのが、夢見酒を口移しで飲ませるシーン。

今までは一度のキスで夢見酒を蘭兵衛に飲ませていましたが、今回は二度!

一度目は蘭兵衛に昔の記憶を呼び戻させるために、二度目は夢見酒を飲ませるためにだそうです。

確かに、天魔王が夢見酒を口に含んでいない状態でキスをしたので、何事!と思ったのですが、そのあとの蘭兵衛の表情は、"はっ"と我に返ったような、目の前の天魔王を信長と重ね合わせているような表情をしておりました。

 

 

 

 そして、かなり衝撃を受けたのが第二幕の天魔王と蘭兵衛が無界屋を壊滅させるシーン。

天魔王はもちろん松山ケンイチさんが演じているのですが、天魔王と蘭兵衛が容赦なく遊女たちを斬り殺していく様が、第一幕の無界屋での捨乃助と蘭兵衛のシーンとあまりにも違いすぎて、同一人物が演じているからこその恐ろしさというか、残虐さがより際立っておりました。

 

無慈悲に斬り殺していく天魔王が捨乃助ではないことはわかっているんですけど、わかっているんですけど!重ね合わせてしまう・・・。

 

天魔王と蘭兵衛、ふたりとも何とも言えない冷酷な目をしてました・・・。恐ろしかった・・・。

 

 

小ネタが多いSeason風!

 

 

とにかく笑っちゃうポイントがとても多かったです。

もちろんシリアスシーンは固唾を飲んで観ていますが、随所に笑ってしまうシーンが沢山ありました。

前シーズンの阿部サダヲさん主演「髑髏城の七人Season鳥」は"オモシロドクロ"などと言われており、笑いの要素が盛り込まれていましたが、今回もかなり面白い!

私個人の意見ですが、オモシロドクロよりオモシロかったのでは・・・(笑)

 

それは何と言っても笑いが取れる役者さんがそろっているということ。

兵庫役の山内圭哉さん、贋鉄斎役の橋本じゅんさん、狸穴二郎衛門役の生瀬勝久さんなど、どこからがセリフでどこからがアドリブなのか分からないくらい、がっぱがっぱ笑い取ってました。もちろん、松山ケンイチ捨乃助も笑っちゃうシーンが多く、名前をコロコロ変えるキャラクターなもんだから、贋鉄斎に「今は名前なんだっけ?L(エル)?」と言われて、「違うっっ!!!」ってツッコんでました(笑)

笑ったり、切なくなったり、かなり盛りだくさんで大満足な作品でした!

 

 

 

本公演は11月3日まで上演されております。

少々お高いチケットですが、行って損はさせません!言い切ります!それ位素晴らしい作品でした!

 

 

みなさまもぜひ行ってみてください!!!

 

 

【公演情報】

 

『ONWARD presents 劇団☆新感線 髑髏城の七人 season風』

 

 

出演者:松山ケンイチ向井理田中麗奈橋本じゅん山内圭哉岸井ゆきの生瀬勝久・・・etc

 

 

公演日:2017年9月15日(金)~11月3日(金・祝) IHIステージアラウンド東京

 

 

観劇日:2017年10月7日(土)14:00公演

 

『AMADEUS』を観劇した感想(ネタバレあり)

第21回目のレビューは、松本幸四郎さん主演の『AMADEUS』です。

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アマデウスは1982年の日本初演以来、幸四郎さん主演で何度も再演がなされ、上演450回を迎える傑作です。

 

 

1982年……私の生まれるだいぶ前から上演され続けている作品と思うと、どれだけ長い間人々に愛されている作品かということが分かります。

 

 

 

今回の上演で、幸四郎さんは『最後のアマデウス』と公言されており、非常に注目されております。

 

 

 宮廷作曲家として地位や名誉を獲得していたサリエーリ。

そして彼の前に現れた天才音楽家”モーツァルト”との確執や葛藤を描いた作品です。

 

 

努力の凡人 サリエーリ 

 

 

音楽の才能が自分よりも秀でているモーツァルトに対して、様々な方法で彼に勝とうと躍起になるサリエーリ。生まれ持った才能を持つモーツァルトに対して、彼は努力しても報われない。どんなに努力しても天才に勝つことのできないサリエーリは、いつまでも拭うことのできない悲壮感に満ちておりました。

 

 

サリエーリは天才に限りなく近い努力の凡人、一方でモーツァルトは天才だけれど若いこともあって幼稚で常識知らず。

 

 

そんな全く異なる二人の音楽家の対比がとても面白く演じられておりました。

 

 

 

モーツァルトに対して一生拭うことのできない敗北感に苛まれ、最後には殺意にまで発展してしまったサリエーリの感情の波が私たち観客にまで押し寄せてきたのです。

 

 

音楽を理解しているからこそモーツァルトの才能を評価せざるを得ない、モーツァルトには絶対に敵わないことを理解してしまっているからこそ、自分が神に選ばれた人間ではないことを受け止めるしかない。モーツァルトに対する屈辱や嫉妬や悪意の念がいくつも混ざり合って、一言では語り切れない感情の渦にサリエーリは飲み込まれたのです。

 

 

 

しかし、人間としての”妬み”や”嫉み”という、誰しもが持っている感情を描いている作品だからこそ、私たちは努力の凡人、サリエーリに共感してしまうのかもしれません。

 

 

 

サリエーリを演じる幸四郎さんは受け手のシーンが多く、そしてその状況を私たち観客に説明しつづけるため出ずっぱりでした。そして圧倒的な存在感で、モーツァルトを追いつめていくのです。

 

ここまで一人の役者が舞台上に居続ける作品は、記憶の限りですが観たことがありません。舞台の幕が下がるまでの約2時間半、ずーっと私たちに語りかけてくるのです。

 

 

 

ストーリーは老人のサリエーリが私たちに自分の過去を話し始める場面から始まります。そして、約40年前彼がまだ宮廷作曲家として活躍していた頃に移ります。幸四郎さんは老人の頃と40年前のサリエーリを演じ分けるのですが、仕草はもちろん、全く異なる喋り方で演じ分けておられ、声だけでも年齢を感じとることができました。

 

 

 

幼稚かつ傲慢な天才 モーツァルト 

 

天才的な才能を持ちながらも幼さや純粋さ、傲慢さも併せ持つモーツァルトを演じているのが、ジャニーズWEST桐山照史さん。桐山さんは朝ドラ「あさが来た」にも出演されており、ジャニーズの中でも演技派なイメージを私は持っています。

本作品のモーツァルトは、第1幕はとにかく幼稚で傲慢で、これでもか!と舞台上をかき乱すようなキャラクター。発する言葉も下品なものが多く、ジャニーズという枠をいい意味で壊している・・・(笑)そのため、そのギャップがかなり面白く感じました。

しかし、第2幕になるとキャラクターが一転。サリエーリの思惑によって幸福な人生から転落したモーツァルトは、仕事を失ったうえに病気を抱え、妻や子供にも出ていかれるという散々な日々。第1幕のきゃっきゃと騒いでいたモーツァルトは一体どこに行ったのか・・・。あまりにも1幕と2幕でキャラクターの描かれ方が大きく変わるので、桐山さんの演じ分けにとても驚きました。どちらもかなりの熱量が必要ですし、同一人物とは思えないくらいでした。

 

 

舞台のラスト、サリエーリとモーツァルトがお互いに神経をすり減らしながら対峙するシーンは、息をするのを忘れるほど痺れました・・・。

相手を破滅させようとする人間の姿、そして極限まで追いつめられた人間の姿。

どちらも見てはいけない人間の根幹を見ているようで、胸が張り裂けそうでした。

 

 

サリエーリがモーツァルトの素晴らしい才能に翻弄される人生を描いた本作品は、人間の弱い部分を映し出した、どこか他人事とは思えない苦しい作品でした。

 

 

私が観劇した日はカーテンコールが4回もあり、最後はスタンディングオベーション。私の観劇経験において、スタンディングオベーションまで起こった作品は2、3作ほどしかないのですが、本作品はその賞賛に値する素晴らしい作品でした・・・!

そして、幸四郎さん、桐山さんの素晴らしい演技をこの目で観ることができて、演劇鑑賞の素晴らしさを再確認したのでした・・・!

 

 

 

熱く語ってしまい、かなりの大作レビューになってしまいました・・・(汗)

アマデウスは地方公演もありますので是非足を運んでみてください!

 

 

 

【公演情報】

 

 

『AMADEUS』

 

出演者:松本幸四郎桐山照史大和田美帆・・・etc

 

 

 

東京公演:2017年9月24日(日)~10月9日(月・祝) サンシャイン劇場

大阪公演:2017年10月13日(金)~10月22日(日) 大阪松竹座

福岡公演:2017年10月24日(火)~10月25日(水) 久留米シティプラザ

 

観劇日:2017年10月4日(水)18:00公演

 

『百鬼オペラ 羅生門』を観劇した感想(ネタバレあり)

第20回目のレビューは、柄本祐・満島ひかり吉沢亮らが出演する、Bunkamuraシアターコクーン『百鬼オペラ 羅生門』です。

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本作は、芥川龍之介の代表作「羅生門」や「蜘蛛の糸」「藪の中」「鼻」を「羅生門」の主人公、"下人"の人生と絡ませ、ひとつのストーリーとして描き出した作品です。

 

芥川龍之介の作品をオペラに乗せて、というのはどういうアプローチの作品なんだろう、と自分の中でイメージできず、観劇前までかなり不安でした。

 

 

そのため観劇前に劇中で使用される芥川作品4作品を読んでから臨んだのですが、かなり功を奏しました。これから観劇する予定の方は、あらかじめ本作で使用される芥川作品を読んでいくことをおすすめします!

 

 

ステージ上には丸みを帯びた木枠。その木枠の向こう側で繰り広げられる芥川龍之介の世界。木枠が絵本の縁のようで、まるでからくり絵本を見ているような気分になりました。ステージ上で絵本の登場人物がストーリーを進めているような感覚。

 

 

全体的な色味や小道具、セットの全てが何故か懐かしい気持ちにさせてくれるのです。ふと思ったのですがNHKの"みんなの歌"のオープニングみたいだな、と。ほっこりする世界観でした。

 

 

羅生門に登場する下人が歩む"夢の中"を軸に、いくつもの芥川作品が絡み合ってストーリー進んでいきます。

次から次へといくつもの作品が継ぎ目なく進んでいくので、どこからが下人の"夢の中"でどこからが"現実の話"なのかが分からなくなりそうでした。

全体を通して、演者が空中に浮遊する演出が多々取り入れられており、それらのシーンでは非現実的な印象を持ちました。

 

 

 "下人"を演じられたのが柄本祐さん。

やはり下人を軸にストーリーが進んでいくため、ほぼ出ずっぱり状態。なおかつ下人の夢の中で繰り広げられるストーリーの人物も演じるため、一度舞台袖に下がったと思いきやすぐ別の人物として登場するという、かなりハードな役柄を演じられておりました。

 

 

下人の夢の中に登場する、"女"を演じられたのが満島ひかりさん。

劇中、歌を歌うシーンがあるのですが、満島さんは最近歌手としても活躍されておりますし、綺麗な透き通った声が会場中に響き渡っていました。

 

「藪の中」にて殺されてしまう夫の役は吉沢亮さんが演じられておりました。吉沢さんは今人気急上昇中の若手俳優ですが、ただ、かっこいいだけではない。かなり演技派であることをこの舞台で証明したのではないでしょうか。

途中、吉沢さんの15分弱程ある独白のシーンがありました。ひとつひとつの言葉に感情を乗せて、身を削るようにして話すその姿に、とても心揺さぶられたことを覚えています。

 

 

 

かなり抽象的で、なおかつ高尚な作品ではありますが、素晴らしいものを見せていただいた、そんな気持ちになりました。

 

皆様もぜひ見に行ってみてください!

 

 

 

また、ここでお知らせです。

本サイトを開設して今月で1年が経ちました。そして先月から本サイトの観劇レビューが観劇レビューまとめサイト「演劇感想文リンク http://engeki.kansolink.com/」にリンクいただいております。そちらも是非ご覧ください。

 

 

 

【公演情報】

 

 

『百鬼オペラ 羅生門

 

 

出演:柄本 佑、満島ひかり、吉沢 亮、田口浩正小松和重銀粉蝶・・・etc

 

 

 

東京公演:2017年9月8日(金)~9月25日(月)  Bunkamuraシアターコクーン

 

兵庫公演:2017年10月6日(金)~10月9日 (月)  兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

 

静岡公演:2017年10月14日(土)~10月15日(日)  富士市文化会館ロゼシアター大ホール

 

名古屋公演:2017年10月22日(日)  愛知県芸術劇場大ホール

 

 

 

観劇日:2017年9月17日(日)17:30公演

 

ミュージカル『ヤングフランケンシュタイン』を観劇した感想(ネタバレあり)

第19回目のレビューは、小栗旬主演ミュージカル『ヤングフランケンシュタイン』です!

 

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本作品は、小栗旬の初ミュージカル作品として公演前から非常に注目されておりました!

 

そしてこの作品の演出を手掛けているのが福田雄一さん。

福田さんと小栗旬さんといえば、映画『銀魂』でもタッグを組んでいますよね。

 

 

 

てことはこのミュージカル、、、面白くないわけがないじゃないですか!!!笑

 

 

 

そして、福田さんの作品にはすべて出演すると公言しているムロツヨシさん。

福田さんが監督されたドラマ『スーパーサラリーマン佐江内氏』で"ウィケ杉"の好演が目立つ賀来賢人さん。

 

面白いに決まってるじゃないですか!!!

 

 

幕が開いてから幕が閉じるまで、会場は笑い声で満ち溢れていました。

 

 

始まってからずーと面白い!

福田さん演出の舞台は何作品か観劇しておりますが、ミュージカルでこそ本領を最大限発揮できる方だなぁと感じました。

 

 

物語は、フランケンシュタインが亡くなる場面から始まります。

実験によって怪物を生み出し、トランシルバニア町の人々を不安にさせ続けてきたフランケンシュタインが亡くなったことで人々は喜びを分かち合った。

そんななか、町の警部(ムロツヨシ:1役目)が人々に言った、『安心してはならない、彼の子孫がこの地球上にいる限り』と。

 

そのころ、フランケンシュタインの孫、フレデリック小栗旬)はニューヨークで脳科学の教授をしていた。その彼に、祖父が亡くなったとの知らせが届く。祖父の財産を受け継がなければならないことを知り、彼はトランシルバニア町へしぶしぶ行くことに。

 

フレデリックは祖父の実験など微塵も興味がなかった。しかし、城のなかにいるうちに自分も祖父と同じように実験をしてみたいという衝動にかられてしまう。

そして、実験によりモンスターを生み出してしまい、人々を巻き込んだ大騒動が起こってしまう・・・!

 

 

本作品を観劇して、

小栗旬が歌って踊る・・・それだけでも、貴重な瞬間を目にしているなぁ~~~と心がわくわくしてしまいました!

 

もちろんミュージカルですからセリフのシーンより歌っているシーンが多い。小栗さんも数々のシーンでダンスを披露しており、今までこんな小栗さんを観たことがないのでかなり新鮮でした!

 

また、町に来た途端、町の人々に翻弄されて、てんやわんやでひたすら困惑している小栗さんの演技がとっても繊細で印象的でした。振り回される役って受け手なので、振り回す方よりも逆にエネルギーが必要だと思います。

 小栗さん、とにかく器用ですしパワフルだなぁと!

 

 

あと、小栗さん、ステッキダンスを披露しているんです。

シルクハットに燕尾服、片手にステッキを持って軽やかにステップを踏んでいる小栗旬はめちゃくちゃかっこよかった!!!

 福田さん、ありがとう。って感じです。(笑)

 

 

 

そして驚くべきは、福田さんならではのムロツヨシの使い方!

ほぼずーっと出ずっぱり!一人で6役ほど演じ分けながら、舞台からハケたと思ったらすぐまた別の役で登場!!!まさかこんなに様々なシーンで出演されているとは知らず、毎回出てくるたびに笑ってしまいました。

 

 

 そして、ムロさんが盲目の老人(6役目??)を演じている際、ソロで歌うシーンがあるのですが、

 

まさかの!!!口パク!!!!!ミュージカル史上初と思われる口パク!!!(笑)

 

ムロさんにしてはキレイな声だなぁ~とは思ってましたけど、裏でアンサンブルメンバーが歌っているとは思わず、驚かされました!

今日は千秋楽前公演でしたが、『明日の千秋楽は全部自分で歌い切りますっっ!!』ってムロさんが言っておりました!明日の千秋楽が楽しみですね~!

 

 

そして驚いたのが舞台セットです。

かなり大掛かりなセットの転換が何度もあり、最初から最後まで新鮮な感覚で見続けることができました。転換のスピードもかなり速く、観ていて爽快でした!

 

 

そしてまた、福田演出舞台の楽しみのひとつに"アドリブ"があります。

ムロさんを筆頭に賀来さん、小栗さんとアドリブが飛びまくる!!!

いや、福田さんの脚本なので、もはやアドリブに聞こえるセリフなのかもしれないですが・・・!だとしても、小栗旬の100%の力での「デスノートのときの藤原竜也」のモノマネが見れるとは思いませんでした・・・!本当に100%でした・・・。笑いが止まりませんでした(笑)

 

 

コメディー作品なので、最後もハッピーな終わり方です!

笑って笑って笑いまくって何だかすっきりします!!

様々なジャンルの舞台を観劇しますが、やっぱりコメディー作品は幸せの感情しか生まれないので、ぜひ観に行ってみてください!!

 

【公演情報】

 

『ヤングフランケンシュタイン

 

 

 出演:小栗旬、滝本美織、ムロツヨシ賀来賢人保坂知寿、吉田メタル、宮川浩、瀬奈じゅん・・・etc

 

 

公演日:東京公演 2017年8月11日(金)~9月4日(日) 東京国際フォーラム ホールC

    大阪公演 2017年9月7日(木)~9月10日(日) オリックス劇場

 

 

観劇日:2017年9月3日(土)18:00公演

 

 

『髑髏城の七人 season鳥』を観劇した感想(ネタバレあり)

第18回目のレビューは、IHIステージアラウンドこけら落とし公演第二弾、劇団☆新感線『髑髏城の七人 season鳥』です!

 

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客席回転型劇場「IHIステージアラウンド」のこけら落とし公演として、1年3か月にわたるロング公演を行う劇団☆新感線『髑髏城の七人』。

 

その第二シーズンとして公演中の"season鳥"は、前シーズンの"season花"と比べてキャラクターや演出を大幅に刷新しており、全く別の"髑髏城の七人"となっておりました!

 

 

※「髑髏城の七人 season花」は第12回レビューに掲載

「髑髏城の七人 Season花」を観劇した感想(ネタバレあり) - 若者による若者のための観劇レビュー

 

 

主人公、捨乃助を演じているのは阿部サダヲさん。

前シーズン"season花"では小栗旬さんが演じており、着流しで遊び人感が強く打ち出されたキャラクターだったのですが、今シーズンの捨乃助は全く違うのです!

遊び人要素は一切なし。阿部サダヲ捨乃助は"忍者" "草の者"というイメージで、天魔王への復讐心に燃えているというキャラクターアプローチになっておりました。

そのため衣装も着物ではなく、忍者のような黒い衣装を全身にまとい、武器は火薬を使った爆弾。そしてなんと刀は逆手持ち。season花とは全く違う捨乃助がそこに存在しておりました!

 

もうとにかく阿部サダヲ捨乃助の逆手持ちの殺陣がかなりかっこよかった!!!しかし、逆手持ちでの殺陣は、通常の殺陣より運動量が多いそうで・・・。歴代の捨乃助を演じられた役者さんの中でも阿部サダヲさんは最年長。

にしてもあの運動量をこなし、天魔王演じる森山未来さんに引けを取らないあの立ち回り。本当にかっこよかった☆

 

このレビュー書いてて思ったんですけど、自分、思ってた以上に阿部サダヲさん好きみたいです(笑)

 

 

そして今作は"season花"に比べて、歌や踊りの要素をふんだんに盛り込んだ、派手な演出アプローチが特徴的でした。

 

無界屋では松雪泰子さん演じる極楽太夫が歌って遊女たちが踊り、そしてなんと捨乃助までもあんな姿で!!!(笑)

 

また、髑髏城でのシーンでは、天魔王が歌って蘭兵衛に過去の記憶を呼び起こさせ、亡き君主の夢を共に叶えようと口説きます。

 

 

今作のダンスの振り付けを担当されたのが、星野源さんの「恋」ダンスを手掛けたMIKIKOさん。"season鳥"公演事前特番でのインタビューで「踊りと殺陣の境目が分からないように魅せられたら面白い」とおっしゃっていて、どう融合するのかなぁと私自身とてもわくわくしていた部分でもありました。

 

 

天魔王が蘭兵衛を口説くシーンで、歌とダンスで蘭兵衛の気持ちの揺れや天魔王の正義や思惑が表現され、随所で天魔王と蘭兵衛の壮絶な立ち回りが演じられるのです。

あ~そういうことか~と!踊りと殺陣が絶妙に融合されていると感じましたし、違和感なく見れることにも驚きました。

 

 

また、全体を通して感じたのは、セリフのスピードがかなり早い!おそらく、歌や踊りで"season花"よりショーアップさせたことで時間的配分を考慮し、あの早さのセリフ回しになったんだろうなぁと。説明セリフも多々あるので、長台詞も非常に多い今作。みなさんかなり早かったですが、特に阿部サダヲさんのセリフのスピード!そのスピードにあの熱量の感情が乗ると、とんでもない言葉の迫力がありました。

本当に「凄い」の一言に尽きます。

 

 

そして"season花"との比較を楽しみにしていたポイントのひとつである舞台セット。

屋内のシーン、例えば無界屋や髑髏城内のシーンは"season花"とは大幅に変わっており、一方、屋外のシーンは引き続き同じセットを使用している印象でした。

 

同じセットといっても、小道具がかなり変わっていたり、脚本も変わっているので、かなり新鮮に観ることができます。贋鉄斎の刀研ぎマシーン、かなり度肝抜かれます(笑)

 

 

 

そして!忘れてはいけないのが、天魔王演じる森山未来さんと、蘭兵衛演じる早乙女太一さんです!このお2人は2011年に上演された髑髏城の七人でも同じ役を演じられています。

 

同じ役といってもキャラクターの描かれ方が違っており、かなり違うなぁと感じたのが天魔王。彼は、今作では外国かぶれした、織田信長の意志を継ぐにはちょっと頼りないような?そんな描かれ方をしているように感じました。

そして、ふたりの立ち回りは圧巻で、今まで観た殺陣のなかで一番早くてかっこいい!早乙女さんの身のこなし、刀のスピードには息をするのを忘れてしまいました。

生で観ることができて、本当に良かったと誰にでも自慢できるレベルです(笑)

 

 

この髑髏城の七人season鳥は9月1日で千秋楽を迎えますが、 

9月15日から上演される次の"season風"は、捨乃助と天魔王を松山ケンイチさん、蘭兵衛を向井理さんが演じられます。

なんといっても捨乃助と天魔王の二役を松山さんが演じられるという脚本!

かなり楽しみです!

 

そして"season月"の情報も先日解禁されました。

まだまだ髑髏城の七人の旅は続きます。私も最後まで見届けたいと思います!

 

 

 

 

【公演情報】

『ONWARD presents 劇団☆新感線 髑髏城の七人 season鳥』

 

出演:阿部サダヲ森山未来早乙女太一松雪泰子、栗根まこと、福田転球少路勇介、清水葉月、梶原善池田成志・・・etc

 

 

 

公演日:2017/6/27(火)~2017/9/1(金)  IHIステージアラウンド東京

 

 

観劇日:2017年8月19日(土)13:00公演

 

 

「デストラップ」を観劇した感想(ネタバレあり)

第17回目のレビューは、サスペンス×コメディー「デストラップ」です。

 

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本作品は、ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズや実写版「銀魂」を手掛けた福田雄一監督が脚本・演出をされていることで注目されています。

 

 

サスペンス色が強い戯曲に、福田さんがどのような"笑い"の要素を入れ込んでくるのか、かなり注目しておりました。

 

 

主人公、売れない劇作家シドニー・ブルーフ(片岡愛之助)のもとに届いた一冊の脚本「デストラップ」。これはシドニーの教え子クリスフォード・アンダーソン(橋本良亮)の処女作で、シドニーに添削を求め、送ってきたものだった。

この作品の質の高さにシドニーはクリスフォードを殺害し、作品を奪う計画を立てる。しかし、事態は思わぬ方向へ・・・!

 

 

裏切りに次ぐ裏切り。どんでん返しが何度も起こり、予測不可能な展開へ。

 

 

舞台転換が一回もない、ワンシチュエーションの密室劇。

そこで濃密な会話劇が繰り広げられます。

 

 

そして第1幕の終わりで衝撃のシーンが。「え、うしょでしょ!?」「どういうこと!?」

頭の上にクエスチョンマークが出たまま第2幕に入ります。

そして、クリスチャードが作り上げた「デストラップ」を観劇しているのか、それとも彼らの生き様を観ているのか、ストーリーが進むにつれて混乱してくるのです。

「デストラップ」がこの作品ではふたつのものを表わしているというように思いました。

 

サスペンス要素が強いですが、随所で福田流の笑いが入ります。

その"笑い"の部分を大いに担っているのが、佐藤仁美さんと坂田聡さんです。

 

ふたりともアドリブの量がすごい!!自由度が高すぎます(笑)

福田さんが演出されているので、いつ笑いが来るか!とわくわくしていたので、彼らがステージ上でぶっ飛ばしているとき、観客も大いに笑いまくっていました。

坂田さんは弁護士役としてシドニーの家に来るのですが、来た瞬間から面白い。橋本くん(クリスフォード)がボケ倒すんです。涼しい顔でボケまくる、そのギャップがかなり面白いです。そして坂田さんがつっこみまくる。とにかく拾いまくる。

 

坂田さんはこの約20分ほどの出番しかないらしく、舞台上からはけることをためらってました。床で寝てましたもん(笑)

 

片岡愛之助さんに向かって「うわ~きっかけぜりふきた~」とか「このセットがさ。あ、セットって言っちゃった」って!そんなせりふ舞台で聞いたことない!!(笑)

 

しかしコメディーシーンが盛り上がるほど、シリアスなシーンの恐怖が引き立ちます。

最後には何が真実なのか、誰が裏切っているのか、わからなくなります。

 

最後の、片岡愛之助さんと橋本良亮さんのシーンは本当に予測不可能でした。

 

サスペンスなので殺人も起こるのですが、何故か気持ちがずーーーんとならない作品となっています。コメディー要素も随所にあり、かなり笑える作品にもなっています。

 

 

地方公演もありますので、ぜひ皆さん観に行ってみてください!!

 

【公演情報】

 

『デストラップ』

 

演出・脚本:福田雄一

出演者:片岡愛之助、橋本良亮、高岡早紀、佐藤仁美、坂田聡

 

東京公演:2017年7月7日(金)~7月23日(日) 東京芸術劇場

静岡公演:7月26日(水) 静岡市民文化会館

愛知公演:8月1日(火) 刈谷市総合文化センター

兵庫公演:8月3日(木)~6日(日) 兵庫県立芸術文化センター

 

観賞日:7月22日(土)13:00公演

「僕だってヒーローになりたかった」を観劇した感想(ネタバレあり)

第16回目のレビューは『僕だってヒーローになりたかった』です。

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構成作家鈴木おさむと俳優・田中圭が6年ぶりにタッグを組んだ作品として、非常に注目されている作品です。

 

鈴木おさむさんも明言されているように本作品は田中圭のために書き下ろしたという作品。そしてタイトルが『僕だってヒーローになりたかった』・・・。どんなストーリーなのかとても気になっておりました。

 

 

田中圭演じる小中正義は、順風満帆な人生を送っていた。しかし、とある事件をきっかけに人生の転機が訪れる。そんな時、正義の前にひとりの男性が現れる。

『日本のために、社会の悪となってみないか』

愛する人のためにこの仕事を引き受けた正義は、想像もしていなかった国家の陰謀に巻き込まれていく・・・。

 

 

正義とは何か、悪とはなにか。『僕だってヒーローになりたかった』正義を演じる田中圭の、命を削るような演技に胸が苦しくなりました。

 

 

6年前、鈴木おさむさんと田中圭さんが初めてタッグを組んだ舞台、『芸人交換日記』は、交換日記を読むというスタイルでストーリーが進んでいきました。いわゆるセリフというよりかはモノローグを読んでいる感覚に近いです。

 

 

本作品も『芸人交換日記』をインスパイアしている部分が多く、『芸人交換日記』が大好きだった私は感動と同時に懐かしさも感じました。

 

セリフはモノローグをベースとして会話が途中に入ってくる作りになっており、とにかくセリフ量が尋常じゃない!!!

 

 

『芸人交換日記』も交換日記を台詞として読んでいるので、セリフ量がかなり多かったですが、本作品も負けず劣らずの量・・・。

特に田中圭さんは冒頭かなりのスピードで喋りっぱなしです(笑)

 

 

それに加えて、舞台上での移動がかなり多い。左右の動きはもちろん、階段を利用した上下の動きもあり、本作品は会話劇な分、動きを取り入れることで最後までスピード感のある演出でした。

 

 

後半、『芸人交換日記』の中でも象徴的だったセリフが正義の口から出てきました。

 

「夢をあきらめることも才能だ」

 

このセリフは『芸人交換日記』の中でも、田中圭演じる甲本が芸人という夢を諦める決心をしたときに言っています。

 

今回の作品では田中圭演じる正義が、ヒーローになるという夢を諦めたときに言ったセリフ。6年の時を経て、この言葉をまた聞くことができて、感慨深くなりました。

 

 

田中圭さんが一番好きな俳優である私は、彼が出演している作品は必ず観劇しておりますが、やはり毎回思うのは、彼の演技は非常に繊細であるということです。

今回の役、小中正義も喜怒哀楽の激しい役柄で、表情がコロコロ変わるんです。そのスピードと力加減と対応力と・・・。本当に器用な方だなぁと改めてしみじみ思いました。

 

 

田中圭と、小中正義は、似てないようで似てるのかもしれません。

 

『僕だってヒーローになりたかった』

 

 

私の中では十分ヒーローです。

 

 

 

 

【公演情報】

 

『僕だってヒーローになりたかった』

http://tristone.co.jp/bokuhi/

 

出演者:田中圭真野恵里菜松下優也手塚とおる・・・etc

 

東京公演:2017年7月6日(木)~7月23日(日)  俳優座劇場

兵庫公演:2017年7月25日(火)~7月27日(木) 兵庫県立芸術文化センター

 

観劇日:2017年7月20日(木)19:00公演